あっつー。蒸し蒸しするぅ。うちのクーラーが壊れたからアンタの部屋に涼みに来たのに、こっちもクーラー壊れてるなんて。しかもなんで扇風機ないのよぉ。あーもうっ。暑くて動く気にならないー。でもヒマー。ねぇ、暇つぶしに話でもしてよ。なんか涼しくなるようなさぁ。せっかく夏なんだし怖い話とか? そんな感じで話してよー。ねぇねぇ。
彼女に怖い話をせがまれ、彼氏が仕方なく話してあげる短編。「石を積む子」「視線を感じて」「お人形」の三つのお話があります。一応オカルト系の話ではありますが、特に怖くはなく、ちょっぴり悲しかったり切なかったりする三編。話が一つ終わる毎に、彼女が疑問点を挙げたり突っ込んだりして感想を述べ、彼氏がそれに答えています。単に三つのお話が収録されただけの掌編集なら、さほど印象に残ることは無かっただろうと思いますが、合間合間に彼女と彼氏のユルい解説語りが挿入されることで、不思議と良い味が出ていました。この手法は、なかなか使えるかも。 |