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Cursed Mail
【HP】雨夜曲切 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】周:20分/総:1時間半 【ツール】LiveMaker 【容量】19MB 【更新日】2011/7/16 【参照】攻略チャート
ある日、携帯電話に呪いのメールとやらが送られてきた。知り合い2名にこのメールを転送しなければ、近いうちに命を落とすという内容だ。くだらないイタズラだと思っていたが、その2週間後、クラスメイトが自殺した。彼は呪いのメールを無視したのだという……。

呪いのメールの謎を解く学園ホラーミステリー。主人公が呪いのメールにどのような対応をするかによって、9種類の結末へ分岐します。一周目はあえて呪いを信じる方向でプレイしてみましたが、呪いのメールがじわじわと拡散され、主人公の周囲を侵食していく様は、なかなか怖かったですね。現実で有り得そうなシチュエーションだけに、自分ならどうするだろうか、やはり怖くて転送するかもしれない……などと考えながら、感情移入できました。どちらかというとホラーよりミステリー色のほうが強めで、クリアしてみると意外にも爽やかな青春物語でした。
一周目はセーブ・ロードが出来ず、一周目を終えて初めてタイトル画面が出る仕掛けになっています。LiveMaker作品の場合、選択肢時のセーブデータの区別が付かなくて困るのが常だったのですが、本作はセーブデータに選択肢の内容が判りやすく記載されていて親切でした。


月槍譚 -Mind of A Lunatic-
【HP】月の水企画 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】15分 【ツール】NScripter 【容量】15MB 【更新日】2010/9/26
田舎の風習が強く残る蒲根市美津区で、祭りの夜に起こった殺人事件。その事件を担当していた女刑事の朝倉美耶子は、学生時代からの先輩である新波警部補のもとへ押しかけ、事件について意見を求めるが……。

とある祭事で起こった事件について、女刑事と男刑事が論じ合うミステリー風短編。最初に分かるのは、何か事件があったらしいということだけで、どこで何が起きてどんな事件になったのか、読者側は全く分かりません。女刑事と男刑事の会話もなかなか核心には触れず、焦らしてくれます。提示された資料を男刑事が読み解いていくうちに、少しずつ事件の姿が浮かび上がっていく。そうやって徐々に全貌が顕になっていく過程が楽しめました。
実はこの刑事二人のどちらかが犯人とかいうオチでもあるんじゃないか?と疑いながらプレイしていたのですが、そういう種類の物語ではありませんでした。男刑事による真相の推理はありますが、その推理が正しいかどうかを証明するものは無く、真実は闇夜に消えたまま。しかし、それで良いのではないかと思います。現実とはそういうものですし、もし男刑事の推理が正しかったとしても、その真相を暴かれることは誰も望んでいないのですから。月夜の幻想が美しく、情緒のある短編でした。


犯人は田中
【HP】Sulptenon>nonet〜寸劇集 【ジャンル】ADV 【プレイ時間】30分 【容量】386KB 【ツール】RPGツクール2000 【更新日】2009/7/4
「安楽椅子探偵がやりたい」とゼノンが唐突に言い出した。「俺様の素晴らしい頭脳を社会のために役立てたいんだ!」とか言っているが、要するに探偵って格好良い!とでも思ったのだろう。宣伝チラシを60000枚ほど刷って空からばら撒いてきたという。不法投棄以外の何物でもねぇ。別の意味で警察のお世話になりそうだ……と呆れていると、さっそく警察がやって来た。殺人事件の謎解きをゼノンに頼みたいと言う。ありえねぇ!

なんちゃって探偵のゼノンとツッコミ役のバシの反則ミステリーコメディ。全15話。1話に1件ずつ事件が提示され、ことごとく「ノックスの十戒」「ヴァン・ダインの二十則」を破りまくったアホなオチが付きます。勘で犯人を当てる探偵やら、魔法を使った密室トリックやら、ミステリーを根源からぶち壊す反則だらけ。次から次へと反則推理をかましていくゼノンと、律儀にツッコミを入れまくるバシのコンビが笑える。ミステリーの基本ルールである十戒と二十則を程良く弄ってギャグに仕立ててあって上手い。ルールを守らないと、こんなにグダグダになりますよ〜という教訓として、ある意味、ミステリーに対して真面目な作品とも言える(かもしれない)。メタネタ多し。


拝み屋サン 第一話「拝み屋黒須」
【HP】YO 【ジャンル】ADV 【プレイ時間】1時間10分 【容量】15.4MB 【ツール】Famous writer3.09(要QuickTime) 【更新日】2009/1/30
「黒須心霊相談所」を営む黒須は、お祓い専門の拝み屋。お祓いと言っても、もっともらしい儀式をするわけではない。霊と『話し合い』をして、成仏してもらうのだ。今回の案件は、埼玉県××市にある箱崎邸の霊障。子供が二階のベランダから転落死した後、両親は遺書を残し失踪。その後、箱崎邸ではラップ音などの不可解な現象が相次いでいるという。子供嫌いの黒須は、依頼を断ろうとするが……。

話し合いで霊を成仏させる除霊アドベンチャー。選択肢を選びながら霊を説得して、あの世へお引き取り願いましょう。「全体像は逆転裁判シリーズを理想としてます。色々パク…リスペクトしてます」という作者さんの言葉通り、あちこち微妙に『逆転裁判』っぽい作りになっていますが、逆転裁判の法廷バトルのような高揚感や爽快感があるかというと、残念ながら、ありません。いまいち地味な除霊パートで、盛り上がりに欠ける。死人相手の説得なので湿っぽい話になるのは仕方ないとしても、もう少しシステム・演出に手を入れて工夫できるのでは? 事件の資料も、いつでも見れるようにしておいてほしい。ストーリーパートは概ねコメディですが、自称弟子の夏目や女子高生(幽霊?)の春那には何やら事情がありそうで、今後シリアスな展開になりそうな予感。作者さんの名前をどこかで見たことあるなぁと思ったら、六年前にプレイした男性向け抜きゲーの作者さんでした。絵柄と作風をガラリと変えてきましたね。意外ながらも嬉しい転身です。第二話の予告は、どこまで信じて良いのだろうか(笑)


あるお屋敷のクリスマス−お嬢様と執事編−
【HP】新・古典派 【ジャンル】ADV 【プレイ時間】10分 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【容量】2.34MB 【更新日】2010/2/18
「サンタクロースからお嬢様にプレゼントが届いております」 朝、サヤカが目を覚ますと、部屋に自称サンタからのプレゼントが置かれていた。サヤカは小学校に入学したばかりの子供だが、サンタが実在しないことくらい知っている。クリスマスに独りぼっちの自分に同情して、執事の皆本が用意したに違いない。そう思うと、怒りがこみ上げてきた。プレゼントの送り主がサンタではなく皆本だということを『りっしょー』してみせる!

サンタが存在しないことを立証しようと頑張るお嬢様のお話。あれこれ『むじゅん』を見つけ出して『りっしょー』しようとしますが、なにぶん子供なので、お粗末な推理ばかりで、老執事には敵いません。やがてお嬢様がムキになってサンタを否定する理由も見えてきて……。最後にプレゼントの送り主の正体を、プレイヤーが入力します。普通に読んでいれば、答えが分からない人はいないでしょう。ラストでお嬢様が見せた笑顔が、とても可愛かった。心温まるクリスマス短編でした。スクリーンショットを見ただけだと外国が舞台のように見えますが、日本のお話なのですね。システム周りでは、セーブが無いのが不便。


トリッシュの事件簿 #5 331B人喰い通り
【HP】笑傲江湖 【ジャンル】ノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】40分 【容量】8MB 【ツール】RPGツクールXP 【更新日】2009/5/29
蒸気と深い霧に包まれた公国の首都リンドン。ブラム街で探偵社をかまえるトリッシュは、新聞記者のクェスからリンドン七不思議の一つである“331B人喰い通り”の調査を依頼される。一度は断ったトリッシュだったが、かつて恩師を学会から追いやったグラハム・バーカー教授が七不思議に関わっていることを知り、調査に乗り出すことに……。

少女探偵トリッシュが鋭い推理を披露して事件を解決するミステリー。可愛らしい絵で、メインキャラも女の子ばかりなので、一見萌え系にも見えますが、シナリオは意外と真面目でしっかりしています。ちょこちょこ気の利いた台詞が織り込まれており、適度にユーモアのある会話が心地良い。放蕩淑女のラズベリアは、第3話「探偵不在につき」では出しゃばった無神経な素人探偵ぶりが鬱陶しくて好きになれなかったのですが、今作ではきちんと礼儀をわきまえていて、彼女への印象が変わりました。ラストの新聞記者のクェスのエピソードにはホロリ。トリッシュの事件簿シリーズは現在、第3〜5話をダウンロードできますが、最初にプレイするのは今作の第5話からをお勧めします。RPGツクール製のため、スキップ無し、バックログ無し、文字速度調節なし、任意セーブ無し。セーブ4個は少なすぎる。


茄子と秋刀魚の美味しい世界 《 さあ、ひきこもろう。 》
【HP1】「とのしい」公式サイト 【HP2】MIS.W@シナリオ班 【HP3】MIS.W 〜早稲田大学経営情報学会〜 【ジャンル】ノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】2時間 【容量】33.7MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2009/2/25
「楽しいことがあると無性に死にたくならない?」 そう言って笑う彼女。彼女はいつも、何の前触れもなく笑って自傷した。僕は彼女に惹かれ、彼女の性癖を全力で阻止するようになる。死にたがる彼女と、止める僕。それが、僕と彼女の日常だった……。

壊れた“彼女”と“僕”の壊れた物語。二人+αの不安定な日常がダラダラ続いた後、最終章でいきなり「貴方が犯人です」的な展開になるので、あれ、これってミステリーだったのか!?と驚愕(笑) さらには、これまでの日常をひっくり返す意外な真相が明かされ、ダブルで驚愕。してやられた快感もありつつ、騙し討ちされたようなモヤモヤもあり、なにやら微妙な心持ちです。クリア後のおまけにある「Extra Story」を読むと、○○オチかよ!とズッコケましたが、あのラストは入れ子構造のループということになるのだろうか。あちこちに織り込まれているミステリ関連ネタには結構笑った。とりあえず、シナリオライターさんが佐藤友哉を好きなことはよく判りました(笑) 有栖川有栖の国名シリーズをリアル鬼ごっこと同レベルで貶めているアレは、有栖川ファンに怒られませんかね。かなり人を選びそうではありますが、不思議な読後感を残す作品でした。


雨宿り 風峰神社怪異事件ファイル
【HP】優凪 【ジャンル】嘘伝説推理ADV 【プレイ時間】40分 【ツール】CatSystem2 【容量】39.1MB 【更新日】2010/5/5
三月末日。風峰神社で参道を掃除していた大地は、比奈子から「呪いの言葉」の話を聞く。聞いただけで呪われてしまうという、禁忌の言葉。よくある都市伝説だと思っていたが、翌々日、比奈子が失踪して……?

2010年エイプリルフールゲーム。自作ゲーム『あまやどり』と日本一ソフトウェアのホラー推理ADV『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』を掛け合わせたホラーミステリー。「呪いの言葉」に関わる比奈子失踪事件を『流行り神』のシステムで推理していきます。自問自答で事件の内容を整理して今後の捜査方針を決定する「Self-question」、捜査中に得たキーワードを使って相関図を完成させる「推理ロジック」。『流行り神』の二大推理システムがしっかり再現されていて楽しめました。間違った推理をしても強制的に正しい推理へ誘導されてしまうのは少し残念でしたが、制作の都合もあるのでしょうね。推理システムだけでなく、あちこちに『流行り神』を模したギミックが散りばめられており、『流行り神』を知っているとニヤリとすること請け合い。ホラー要素は若干ありますが、プレイ前にしつこく警告されるわりには、特に怖くありません。ホラー的には、比奈子が呪いで凄惨に死ぬくらいのオチが欲しかった気も? 『あまやどり』本編をプレイしていなくても、特に問題なし。


ウソと手紙と名探偵
【HP】Fly me to the sky! 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】15分 【総プレイ時間】20分 【容量】6.09MB 【ツール】NScripter 【更新日】2009/5/3
春休み、委員会の仕事で登校していた片山恭輔は、下駄箱に自分宛の手紙が入っているのを発見する。ラブレターかと思いきや、中の便箋には何も書かれていなかった。折しも今日は四月一日、エイプリルフール。誰かの単なるイタズラか、それとも何か意味があるのか。ミステリ好きの友人の岩城と共に、片山は白紙の手紙について推理を巡らせることに……。

2009年エイプリルフール企画ゲーム。推理によって3つのエンディングへ分岐します。途中から展開がどんどんアヤしい方向へ行くので、ま、まさかあいはらさんが[BL]に初挑戦……!?と動揺してしまいました。んなわけ無かった。叙述トリックは数をこなせばある程度見破りやすくなってくるものですが、[性別誤認]トリックに関してはひたすら何度でも引っかかる私。あいはらさん初のミステリー作品ということで、わくわくしながらプレイしたのですが、結局いつもの[恋愛もの]だったのが残念と言えば残念かもしれない。とはいえ、2008年エイプリルフールに引き続き、今年も「嘘」というテーマに正面から取り組んでくださっているのは嬉しいです。