- ADV・ノベル:サイコホラー(1) -  │HOME一般向レビューTOP


渇望スル島
【HP】FunnyCrankyMom 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】周:3時間/総:9時間 【ツール】NScripter 【容量】97.9MB 【更新日】2011/9/20 (2009/9/20)
廃墟サイト『RUINS』の管理人が企画した白寿島2泊3日探索ツアー。白寿島とは、20年近く前に無人となった人工島で、廃墟マニア垂涎の物件である。集ったのは、サイトの掲示板の常連10名。大学生の信繁(名前変更可)も、サークル「近代文化遺産研究会」の仲間と共にツアーに参加するが……。

廃墟の島を舞台としたサイコホラー。前半の選択肢によって、全く異なる四つのシナリオ「殺人幽霊篇」「食いしんぼ篇」「侵略者篇」「SHINOBI篇」へ分岐します。姉弟二人で分担してシナリオを書いておられるようで、やたらとバラエティに富んだ内容です。
「殺人幽霊篇」は正統派(?)サスペンスホラー。[自分では青春真っ盛りの大学生のつもり]だったのに、実は[定年間近のくたびれたオッサン]だったとか、怖いわあああああ。ある意味、幽霊などよりもよほどおぞましいですね、[自覚の無い老い]って。■■を■■したつもりで、実は■■を■■していたなど、[主人公の脳内変換]が豪快すぎて笑った。ラストもこれまたシュールで、何とも言えない読後感でした。
「食いしんぼ篇」はタイトルからしてギャグシナリオか?と思ってしまいますが、きちんとホラーですので、ご心配なく。ツアー参加者のユリカは、かつてこの島で主人公と共に育った幼馴染だった、というギャルゲー的展開。一緒に島を巡りながら、幼い頃の思い出を語り合う二人。微妙に嫌な予感を覚えながらプレイしていくと、最後にえげつない真相が。ホラーで「食」と言えば、こうなりますよね、やっぱり。殺人幽霊篇も食いしんぼ篇も、[主人公]がキてますキてます。
「侵略者篇」は人型陸戦機に乗って宇宙からの侵略者と戦うSF巨篇(ええー)。最後には、もちろんエグい結末が。この作品、こんなのばっかりだ(笑)
前半に無難な選択肢を選んでいくとイロモノっぽい「食いしんぼ篇」「侵略者篇」に入り、変な選択肢を選んでいくと正規ルートっぽい「殺人幽霊篇」に入るという、ひねくれた構成。どのルートもしっかりした内容で読み応えがありますが、バラエティに富みすぎて全体の印象はカオス(笑) とにかく作者さんたちが書きたいものを書いた!という感じで、それもまた良し?


ユリカ
【HP】fragment 【ジャンル】ノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】40分 【ツール】Nscripter 【容量】26MB 【更新日】2011/7/23
梅雨が明けた頃、新社会人の知則の家の隣に綺麗な母娘が引っ越してきた。その娘の名前は百合香。父親を亡くした幼い百合香を、知則はなるべく気にかけるようにするが、知則を見つめる百合香の眼差しはどこかおかしくて……。

奇妙な力を持つ少女のサイコホラー。亡くなった父親に似ていると言い、知則に強い執着を見せる百合香。百合香と接するうちに、少しずつ彼女の異常性が浮かび上がってきます。
プレイしている側は明らかにこの少女がヤバイことが判るのですが、主人公の知則は一向に百合香の本性に気付かず。惨劇へのプレリュードといいますか、本当の恐怖はこれからだ……といいますか、知則逃げてー!!という感じのラストでした(笑)
百合香は小学五年生の子供でありながら、知則への態度の端々に“女”を感じさせる部分があり、そこもまた嫌でしたね。じっとりとした粘着質な気持ち悪さがありました。


観察
【HP】Black Hemisphere 【DL】ふりーむ! 【ジャンル】ノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】5分 【ツール】yuuki!novel Ver R9.7 【容量】1.89MB 【更新日】2011/7/2
大学に進学し、マンションで一人暮らしを始めて一年と少し経った頃、俺は何者かによるストーカー被害に遭うようになった。大学でもバイト先でも、常にどこからか視線を感じる。ゴミ袋が荒らされ、無言電話がかかり、誰かの爪や髪の入った封筒が届く。そんな生活が続き、俺はだんだん部屋に引き篭もるようになるが……。

ストーカー被害に苦しめられる男のサイコホラー。縦書き一行のみの不安定な文章が綴られ、追いつめられ病んでいく男の様子が伝わってきます。調子の外れた音楽も不気味で、何が起こるか分からない恐怖を感じました。ホラーでは定番の深夜のドアスコープも、目のアップなどの王道パターンとは異なり、意外なものが見えて面白かった。考えてみると、たとえば外からドアスコープを覗くという行為は、異常ではあるけれども、行動の意味は理解できるのですね。本作の場合、相手の行動心理が全く理解できないので、得体の知れない不気味さがありました。ところどころに挿入される恐怖画像もきちんと怖くて、優秀なショートホラーでした。


腐った金魚の呻き声が聞こえる
【HP】ありさんとくらげさんがごっつんこ>Work>腐った金魚の呻き声が聞こえる 【ジャンル】ノベル(選択肢なし) 【プレイ時間】周:6分 【ツール】FLASH 【更新日】2010/6/1(2010/2/18)
私がまだほんの5歳くらいの子供だった頃、長い間寝たきり状態で入院していた私の父親が亡くなりました。生憎そのとき私は仕事がとても忙しく、実家に帰る暇も無かった為、父親の葬式には出席できませんでした。父親の遺体は原型を留めないほど損傷が激しく、結局最後まで頭部の一部と右腕は事故現場から発見できなかったということで……。

不気味なBGMと共に「私」の恐怖体験が粛々と語られているのですが、なんだかいろいろおかしい。話の辻褄が合っておらず、あちこちに話が飛び、あらゆるものが破綻している。わけがわからず、読み進めながら、どんどん混乱していきます。意味を為さぬまま重ねられていく言葉のガラクタの群れが、無性に気持ち悪い。まともに読んでいると、こちらの頭までおかしくなりそうです。さらにプレイを最初から繰り返す毎に、「私」の語りに少しずつ変化が……。じわじわと侵されていく不条理なホラー短編。


ム■クイ
【HP】トラベルミン 【ジャンル】陰々滅々家族ノベル 【プレイ時間】4分 【容量】4.96MB 【ツール】NScripter 【更新日】2009/7/31
あ。? くるま? めずら■い。みち■せまい■に。な■のようじかな? ここ、■うだれも、すんで■いよ。? こっ■に、くる? !! え? え? ■に、ようじ? ? あ……。……だれ? だれ? ……で■、か? あ、ご■いさつ! は■めまして。……。……。……。? ……? えっと、は■めまして? あ、あ■ね……もう、だ■もこな■のかなって おも■てたから、■れしいな!

「ぼく」が「ぼく」のもとを訪れた誰かに語りかける掌編。幼い「ぼく」の言葉は虫喰いだらけで、じわじわと不吉なものを感じさせます。虫喰いだらけの「ぼく」の話を聞くうちに、「ぼく」の親がどのような人物だったか、「ぼく」が親からどのような扱いを受けていたのか、ある家族の形が少しずつ見えていき……最後に“虫喰い”の意味が明らかに。初読では「ぼく」が一人■■■■っているのかと思いましたが、もう一度最初から読み返してみると、「ぼく」も■■■■■のですね。ラストの[]の音にゾッとしました。


カイダン実ハ。
【HP】トラベルミン 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】総:40分 【ツール】NScripter 【容量】12MB 【更新日】2008/8/24
外界から閉ざされた村で、ある凄惨な事件が起きた。村の外から沢山の人がやって来て、村人たちは外界へ連れて行かれた。村に残った「私」のもとへ、ある人物が訪れる……。

村人の「私」が外界から来た「誰か」に村の残虐な因習について語る猟奇ホラー。語り部の正常さを疑わせる、繰り返しを多用した独特の語り口が秀逸。「私」の淡々とした拙い語りから、じわりじわりと狂気が染み込んでくるようで、ぞっとしました。人体を果実や花に見立てた猟奇表現がえげつない。ぱっくりと割れた柘榴の写真は、直接的なグロ画像よりも精神的に応えたかもしれません。
終盤に現れる六つの選択肢によって、語り手の「私」の正体も聞き手の「誰か」の素性もガラリと変わり、全く異なる六つの結末へ分岐します。これまでの話が結末によって全く違う解釈になるのが面白い。思いもかけぬ方向へ転換する結末もあり、なるほど、そういうのもアリかと驚きつつ感心しました。


ペニーガール
【HP】アバラヤ 【ジャンル】少女ロシアンルーレット 【容量】654KB 【更新日】2010/1/15(2009/12/16)
昔々あるところに、ひとりの貧しい少女がおりました。病気の母親を助けるために、朝に夕に働きますが、お金は少ししか集まりません。でも大丈夫。世の中には、親切な人が大勢いるのです。椅子に座って、引き金を引く。必要なのは勇気だけ。心配しないで。神様はいつだって、あなたを見守っているのですから。

少女ロシアンルーレット。目隠しをされた三人の幼い少女が、淡々と銃を撃っていきます。左クリックで引き金を引き、右クリックでシリンダーを回転。連続で引き金を引くとボーナスが付いて高得点を狙えるけれど、そのぶん弾に当たる確率も高くなっていきます。二つの動作を繰り返すだけのシンプルなゲームですが、いたいけな少女たちの無惨な死体を何十回と見る羽目になり、鬱になること請け合い。少女たちの死は非常に呆気なく、惨い。どこまでも続く死のルーレット。この悪趣味な遊戯に、終わりはあるのでしょうか?


3ROOMS―スリールームス
【HP】夢鳥-yumedori 【ジャンル】ノベル 【容量】14.5MB 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【更新日】2009/3/13
目覚めると、真っ暗な場所に居た。傍にあったジッポライターの火を点けてみると、そこは見知らぬ白い部屋だった。部屋には白いドアと虹色のドアがあり、どちらも開かない。ドアを叩いて声を上げると、虹色のドアの向こう側から、か細い女性の声が聞こえてきた。それは恋人の宏子の声だった……。

異様な三つの部屋に監禁された隆夫と宏子。二人を監禁した犯人の意図を探り、部屋から脱出しましょう。エンディングは12個あり、その中の2つのトゥルーエンドで犯人の真意が明らかになります。END1「脱出」では犯人の常軌を逸した狂気がまざまざと描かれ、END2「TRUE END」では犯人の狂気ゆえの哀しさが描かれていました。どちらの犯人の姿も、本当なのでしょう。そのようにしか生きることができなかった犯人を、痛ましく思います。ただ、選択肢がかなり多いのにセーブが無いのは勘弁してほしかった。セーブ無しのコンプリート作業はひたすらダルい。


嫉妬深い彼女 (嫉妬する彼女)
【HP】シンプル・イズなんとか 【ジャンル】ノベル 【プレイ時間】20分 【ツール】吉里吉里2/KAG3 【容量】44.1MB 【更新日】2008/4/30
サラリーマンの次郎には、嫉妬深い彼女がいた。可愛く優しい彼女だったが、付き合ううちに彼女の異常な束縛に耐えられなくなり、とうとう別れることを決意する。次郎は彼女のマンションへ行き、慎重に別れ話を切り出すが……。

ヤンデレサイコホラー。2chオカルト超常現象板の「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」スレより、「嫉妬深い彼女」を加筆・修正したもの。シナリオ前半はほぼ元のテキストをなぞり、選択肢による分岐後はオリジナルの展開になっています。特に目新しい展開はありませんが、気軽にヤンデレホラーを楽しむには良いかもしれません。ゲームのタイトル画面には「嫉妬深い彼女」と書かれていて、サイトには「嫉妬する彼女」と書かれていますが、どちらなのでしょうか。


KILLER BEAR (キラーベア)
【HP】えびふろ 【旧HP】ねこふろしき 【ジャンル】ホラーADV 【プレイ時間】周:15分/総:1時間弱 【容量】1.7MB 【ツール】RPGツクール2000 【更新日】2005/2/19 【参考】攻略チャート
今日は友達のケインの家でパーティー。皆で楽しく過ごす中、ケインの兄のビルが「キラーベア」の話を始める。クマの格好をした殺人鬼キラーベアは沢山の人を殺し、今も徘徊しているという……。そこへ謎の電話が掛かってきた。「オ前ラハ今夜死ヌ」

エンディングは7種類。主人公のマイクの行動によって仲間の生死が決定します。普通に成り行きを見守っていると全員死亡してしまうので、そうならないように動きましょう。前作同様、可愛くてエグい。小粒でアッサリ終わるので、前作『おばけ屋敷探検隊』のような内容を期待していると物足りなく感じるかも。サクッと軽くプレイしたい人にオススメ。


ハコノナカノトモダチ
【HP】RUTA 【ジャンル】学園青春ホラーノベル 【プレイ時間】30分 【容量】8.6MB 【ツール】NScripter/FamousWriter(Win&Mac) 【更新日】2006/1/28
原田瞳子(名前変更可)はいまどきの女子高生。友人とのくだらないお喋りや愛想笑いにうんざりしていた瞳子は、視聴覚教室のパソコンで何気なく心情を漏らしたボトルメールを送る。誰に届くかわからない瓶詰めメールに、翌日、「小林美春」という人物から返事が届いていた。二人はすぐに心を通わせ、メールを交換するようになる。小林は瞳子の悩みを真剣に聞いてくれて、いつでも瞳子の欲しい言葉をくれた。まるで瞳子のことを全て知っているかのように……。

四部構成の『匣の中の楽園』シリーズ第一話。作者の白城るた氏の別名義の著書『匣の中の楽園』(角川ティーンズルビー文庫)を元にしたという学園青春ホラー。一話完結の独立したストーリーです。ホラーといっても特に怖くはなく、青春要素のほうが強い。瞳子の悩みは普遍的で共感できるし、好きな男の子との初デートで浮かれる瞳子も可愛らしい。読後感が良く、スッキリまとまった短編です。


煉獄のユリカ
(配布終了) 【HP】PROJECT写楽 【ジャンル】サウンドノベル 【プレイ時間】2時間 【ツール】Yuuki! Novel 【容量】25.5MB 【更新日】2006/10/14 【参照】攻略チャート
女子高生の西原ユリカは普通の女の子。しかし、交通事故に遭った日から、ユリカの頭の中にもう一人のユリカが芽生える。もう一人のユリカは、自分こそが本当のユリカだと告げ、ユリカに呪いの言葉を吐くのだった。やがてユリカは、己に隠された残酷な真実に向き合うことに……。

実写モデルを起用した写真ノベル。どの写真も非常に綺麗に撮られているので、観ていて楽しい。黒猫のういろちゃんがラブリー。マリ先生に呼び出されて予備室へ行ったら、マリ先生がセクシーポーズで待ち構えていて爆笑しました。いけない!マリ先生。
美少女のユリカ役は撮影当時には現役女子高生のモデルさんで、セクシーなマリ先生役は作者さんの奥さんだそうで。色っぽい奥さんで羨ましい限り。無意味にユリカの入浴着替えシーンもあったりして、サービスも欠かしません。ちなみに、この場面の胸のアップは奥さんのだそうです。いいのでしょうか、人の奥さんの乳をこんなにまじまじと見てしまって。
写真鑑賞ノベルというだけでなく、シナリオもなかなか。後半で明かされる真相のえげつなさには戦慄しました。これは怖い。幽霊や化け物の怖さではなく、人間の怖さを描いた作品です。終盤の神対決は馬鹿馬鹿しくて笑いましたが、まあそれもご愛嬌で。間違った選択肢を選ぶと即死エンドに直行なので、攻略にはさほど苦労しません。
クリア後の「another story」では、作者さんも出演しちゃってます。本人、奥さん、子供、飼い猫。作者さん一家が大集合な作品ですね。イヌヅカの現物には笑った。