灰色の空の下、僕はいつものように朝起きて、学校へ行き、誰とも言葉を交わさないまま、家に帰る。そんな僕と少女たちの、ささやかな一日……。
無音の灰色世界の中で、「僕」の無味乾燥な一日が淡々と描かれています。「僕」の前に現れる五人の少女たち。本作の企画には「登場人物は五人まで」という制約があるのですが……あれ? というわけで、最後の一行でオチへ至ります。
人数の仕掛けには途中で気付いて、[少女たちの中の誰かと誰かが同一人物]なのかも、と思いながらプレイしていたのですが、[(灰色の髪の少女を除いて)少女たち全員が……]というのは予想より一段上でしたね。主人公、[僕っ娘]かよ。[窓ガラス、階段の踊り場の鏡、裏庭の池の水面]。読み返してみると、確かに「僕」はいつも[何かに映った自分の姿]を見ていたわけです。うぬぬ、やられた。
この灰色世界は、[学校に居場所の無い孤独な少女が、自分の心を守るために作りあげた膜]なのでしょうか。「灰色の髪の少女」は[「僕」の灰色世界の向こう側(=現実)にいる人間]で、だから「僕」は彼女の存在を「無視した」ということか? 解答が無いので、結局、真実は解りません。制約を利用して、逆にギミックに組み込んでいるのが良いですね。 |